生成AIと創作

先日の芥川賞の受賞会見で作中に生成AIを利用したことが話題になりましたね。

“作品に生成AIを利用した”というとアイデアをChat-GPTにインプットして、文章を作ってもらい、それをそのまま作品にしたような印象を受けますが、実際には作者の方は生成AIとの対話シーンにChat-GPTから得られた言い回しを利用したそうです。

はじめに生成AIを利用したというニュースを見たときは、芥川賞という権威ある文学賞でも評価されるような自然な文章を作れるようになったのかと期待してしまいましたが、よく考えるとそれとは逆で現時点では生成AIの言い回しが独特であり、それを再現するためにAIを利用したということになりますね。

人工知能の文学執筆でいえば、何年か前に人工知能が執筆した作品が星新一賞の一次選考を通過したというニュースがありました。

このときの人工知能は星新一さんのショートショートを全編解析して、その言い回しなどを学習したといいます。

このAIを作った方が仰っていたのは、「執筆には2つの段階がある。ひとつがアイデアを出してプロットを作ること、もうひとつが実際に文章を書くこと。

この作品は後者をできるようにしたもので、プロットは人間が書いた。」という趣旨のことでした。

ここで述べられるプロットを作ることは0→1を作り出す作業で、この点においてAIは人間を超えられないといわれます。

しかし、人間の0→1もある程度経験によるものだと思いますので、たくさんのデータ(経験)を持てるAIがこれをできるようになる日もいつかやってくるのかもしれませんね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です